YAMATO / BM 定例 議題ドラフト 2026-06-25

公式予約サイト、持つ/持たない問題 — ゲスト(一般客)の入口だけが、ブランドに存在していない

会員ポータル・施設ガイド・オーナーLPと、入口は揃ってきた。
ただし「YAMATO を知った一般客が、自社のドアから入って予約する場所」だけが、まだない。
この一点について、今日のBMで方針を決めたい。

01問題提起

CORE STATEMENT
YAMATO というブランドを知った一般客が、自社のドアから入って予約する場所を持っていない。
指名検索の着地は Airbnb / Booking で、ブランドの顔と予約導線の両方を OTA に預けている状態。

02現状の構造 — 3つの入口のうち、ひとつだけ空白

会員・オーナーの入口は整備されてきた。残ったのが「ゲスト(一般客)」の入口。

あり
会員向け入口
会員ポータル+11施設の会員ガイド。本命客は捕まえている。
あり
オーナー向け入口
別荘オーナー獲得用LP。公式とは別射程で機能している。
なし
ゲスト(一般客)向け入口
「YAMATO」のブランド面と予約導線が、ともに自社側に存在しない。
施設ごとの OTA版ガイドと、OTAリスティングのみ。

03痛み — 持たないことのコスト

「持たない」を続けることの、見えにくいが効いてくる5つの損失。

01
OTAコミッション流出
Airbnb / Booking で 15〜20%。年間で見ると一施設の純利益に匹敵する規模になりうる。
02
顧客データが残らない
OTA経由は顧客情報がマスク。リピート化・会員化の導線が断たれる。
03
指名検索でブランドが出ない
「YAMATO 軽井沢」で出るのは Airbnb の青背景。指名検索の景色を OTA に握られている。
04
メッセージのコントロール権がない
写真順序・キャプション・キャンセルポリシーが OTA UI 規格に縛られる。ブランド表現が均質化する。
05
会員制度の入口にできない
一般客 → 宿泊 → 会員化、という自然な階段が作れない。会員制度の流入元が紹介と運だけになる。

04反対側の論点 — 「持たない方が正解」も成立する

議論の前提として、反対側を先に置く。賛成側に流す資料にしない。

REVERSE 01
構築・運用コストが重い
予約エンジン連携・カート・決済・SEO・継続更新。中途半端な自社サイトは、むしろブランドを毀損する。
REVERSE 02
OTA集客力に勝てない
自社サイトは指名検索でしか勝てない。新規発見の8割は結局OTA頼みのまま、という構造は変わらない。
REVERSE 03
本命客は既に捕まえている
会員ポータル経由のリピートが動いている以上、公式予約サイトの追加価値は限界がある。
REVERSE 04
少数精鋭ヴィラの宿命
大量在庫前提のチェーン型と経済性が違う。自社サイトの固定費を回収できる売上規模に届きにくい。

05論点を3つに分解 — 今日決めたいこと

議論を「持つ/持たない」一発勝負にせず、3段で詰める。

1
そもそも「持つ」方針か。
A
GO — 持つ方向で動かす。次ステップに移る。
B
寝かせる — 半年〜1年後に再検討。判断材料を取りに行く。
C
不要 — OTA特化と会員ポータルの2層で十分という結論を、ここで明文化する。
2
持つなら、どこまで作るか。
α
ブランドサイトのみ(予約なし・OTAへ流す)— 軽い。ブランド主導権だけ回収。指名検索の景色を取り戻す。
β
ブランドサイト+直接予約(予約エンジン連携・自社カート)— 重い。コミッション・顧客データを回収。
γ
ブランドサイト+問い合わせ予約(コンシェルジュ手動)— 中間。少数高単価ヴィラ向き、手仕事の余地を残せる。
3
誰がオーナーか。
柏崎
ブランド面・トーン・写真ディレクション。
大竹
実装・予約エンジン連携・運用。
外注
制作の物理的な手数。デザイン・コーディング・SEO。
FIRST IMPRESSION
射程はおそらく γ(コンシェルジュ手動)寄り、または β(直接予約)の軽量版
α では物足りず、フル直販 β は重すぎる、というのが第一印象。
ここをBMで議論したい。

06参照系 — 議論の補助線

アパ/東横は射程が違う(大量チェーン型)。YAMATO の射程に近い宿の自社サイト戦略を並べる。

星野リゾート
自社サイト直販を強化し、OTAコミッション削減で全社利益を押し上げた代表例。ブランド露出と直販を兼ねる。
ふふ / 雲海 / Onsenryokan系
自社サイト主体+OTA限定併用。高単価×少数稼働の宿モデル。YAMATO の射程に最も近い。
UDS(HAMACHO HOTEL等)
自社サイト+OTA併用のバランス型。ブランド世界観と実用予約導線の同居。
NIPPONIA / 界(ほか小規模ヴィラ系)
ブランドサイトと予約導線を分離。ブランドの顔は自社、予約はOTAと自社の併用。γ案に近い。

07今日決めたいこと — 最小ゴール

MINIMUM GOAL

「持つ方向で動かす」か「寝かせる」か、二者択一の方針合意。

持つなら、次ステップ(競合調査 / プロトタイプ / 外注見積)を、誰がいつまでにを仮置きする。
持たないなら、その結論をクリエイティブ棚卸し資料に明記し、「ゲスト入口は OTA に委ねる」という意思決定として残す。
補足 — クリエイティブ棚卸し資料の左ブロック10カテゴリには「公式サイト」が含まれていない。 カテゴリ自体が抜けていたことになる。今日この議論が通れば、次版で 11カテゴリ目として追加する筋がある。